歳を取ってからの洋服選び、楽しくない?
歳を取って好きな服が似合わなくなった。
若い頃ロリィタ服が大好きだった。
メタモル、イノワ、メイデン、ジェーンにエミキュ(注1)
かなりの期間、金と手間(注2)をかけて洋服を集めた。
楽しかったなぁ…
しかし加齢とは残酷なものでやっぱり似合わなくなってきた。
ロリィタ服を着て鏡の前に立つとどうにも違和感を感じるようになった。
どうやっても無理して着てる感じがしてしまう。
最初違和感を覚えたのは髪型だった。
私はロリィタの時によくウィッグを被っていたんだがどうにも似合わない。
なんだか無理して若作りしてる人みたいでかえって実年齢より老けて見える。
原因はすぐ分かった前髪パッツンがもうキツイ。
試しに服も着てみたがダメだこりゃと。その時からロリィタ服からはフェードアウトした。
クラシカル系の貴婦人っぽい感じの物にシフトしていこうかなとも考えたけど辞めた。
だって一番着たい服を我慢する事には変わり無いわけで、
貴婦人みたいなんじゃなくてドールみたいな可愛いのが着たいんですよ。
暫くはそれでも想い出があるし…と洋服は取っておいていた。
が、引っ越しの際に思い切ってほとんど処分した。(注3)
ジェーンあたりはまだ着れるかなと思っていたがやはり売り払った。
なんだかんだでロリィタに対する執着みたいなのが薄れてきたのかもしれない。
いつも遊ぶ時はロリィタ服だったので当然他の洋服が必要となる。
その服を選ぶのがなんだか楽しくない。
今の服選びの条件は、
・似合っているか?
・手持ちの服と合わせられるか?
・嫌いじゃないか?
この3点。
そう、好きか?とかビビっと来たか?とかじゃない!
その服自体が好きとかではなく、その服を着た自分が変じゃないか?という視点に重きを置いているわけだ。
こういう選び方が…楽しくない…。
ロリィタ服選びはサイコーに楽しかった。
ブラウス一つ選ぶにも、ええーこのレースオリジナル?袖にピンタック付いてる!可愛いかわいい!カワイイ!
と最高にご機嫌な時間であった…
あの頃は服そのもの自体が好きか嫌いかで選んでいた。
着ている自分なんて殆ど想像していなかった。(注4)
一般的な服にここまでテンションは上がる事は無いだろうなぁ…
しかし最近ようやく少し楽しみを見つけた。
アクセサリーや小物類など目立たない所に好みの物を使う!
普通っぽく見せてるけど実は靴下の柄、とんでもないんですよ…と密かに楽しむのだ。
学生時代、校則に反しない程度にロリブランドの靴下や鞄を使っていたのを思い出させる感覚。
縛りプレイの中でどんだけ楽しめるかに挑戦してるこの感じ。
これが結構面白い。
でも常に不安だったりもする。
私は今までずっとロリィタのコーディネートしかしてこなかった。
ジェーンは普通の服だとかなんとか思っていたが母(注5)からはロリ服でしょとか言われて驚いた事があった。
つまり普通の感覚とズレている。
現在年相応の一般的な服を着ていると思っているが自分の感覚が全くアテにならない。
傍からすればトンチンカンな装いなのかも…と不安になる。
そもそもこんなジャンルの服着た事がないからどうコーディネートしたらいいのか分からん。
容姿の変化に感覚、経験や知識がついて行っていない…
似合うか?年相応化か?流行遅れになっていないか?
これらを一々考慮しなければならなくなった。
面倒な事に加齢は進むし流行は変わるから常に研究しなければならない。
…これってもしや常識?
(注1)ジェーン、エミキュはロリィタじゃないって意見もあるかと思いますが面倒なのでここでは同じくくりにします。
(注2)昔はオンラインショップのないブランドもあった。雑誌に掲載された靴が欲しくて、各店舗に電話で在庫問い合わせて通販したりしたなぁ。
どの雑誌に載るかなんてのは今は亡きふたばの買い物板で情報を仕入れていた。
他にも予約枠がすぐ埋まるであろう洋服を即押さえられるよう店が開店と同時に入店し、すぐに予約を入れるなんて事もしていた。
(注3)捨てるのはしのびなくて売却した。
ブランドものはすぐ売れたが個人ブレンドの物や自作のヘッドドレスなんかはまだクローゼットにいる…
(注4)当時もこんな服を私のようなブスが着ていいのか?と思ったりもしたが若さという免罪符があるさ!と開き直っていた。
好きに着ておいて本当に良かったと思う。
(注5)母の感覚が普通かと言われると自信がないが、おそらく私よりは一般的なファッションセンスだと思われる。