キモくて金の無いおばさん

プチ底辺が何かを書きます

独身の奥さん

奥さん!分譲マンションいかがですか?」

休日の昼下がり、宅飲み用の酒を買った帰りに声をかけられた。

 

思いもよらない勧誘にまず驚いた。
妊婦に間違えられて席を譲られたこと(注1)はあったがこのパターンは初めてだ。

奥さんでもないし分譲マンション買えるような金もねーよ…とも思ったが
あの営業マンには真逆に見えたというわけだ。

これは嬉しい…!

彼の見立てでは金もそこそこあって夫子どものいる女性という事になる。(注2)
そんな風に見て貰えて嬉しくないわけがない。

普通の主婦のように見られたわけだ。
普通とは人それぞれだろうが私の考える同年代女性の普通は結婚して出産してマンション買ったりしている人だ。
私はその普通にものすごい憧れがある。

その憧れの人のように見えたなんて喜ばしい事この上ない。

歳だってきっと30代~40代に見られたに違いない
年相応に見られたのも嬉しい!(注3)

 

かつて私は彼氏いるの?と聞かれるのが嬉しかった。(注4)
彼氏がいるような人に見られたのか!とはしゃいでいたのだ。

そのことを友人に言ったところ「アンタそりゃお世辞だよ。」と言われた事があった。
でもお世辞でも嬉しい事に変わりないんですよ。

お世辞って基本相手に喜んでもらうものじゃないですか
少なくとも私を喜ばそうとしてくれた気持ちはありがたいしその好意が嬉しい。

お世辞にも好意の無いものもあるだろう。
こんなお世辞本気にしちゃって痛いやつだなーと影で笑うタイプのもの。

でも仮に好意のない場合もだったとしても一瞬でも喜んだ自分は確実にいたわけで
からかわれたとしても、その事実だけでいいんだ…と思うようにしている。

 

あの営業マンは何も考えずにその辺の女に手当たり次第に声かけしていたのかもしれない。
でもあの瞬間だけでも結婚して家庭を持った女にしてくれて嬉しかった。

 

 

(注1)ごめんねお腹の中身は脂肪なんだ…悪いな~と思いつつも座った。

(注2)マンションはファミリー向けだった。

(注3)10代のころから30代に見られてりしていた。老け顔だったがようやく顔が年齢に追いついたんだろうか?

(注4)現在サッパリ聞かれなくなりました。彼氏じゃなくてもう夫がいるような年代だからなぁ。